ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 6大都市の失業率低下=3カ月ぶりに所得平均もアップ

6大都市の失業率低下=3カ月ぶりに所得平均もアップ

ニッケイ新聞 2007年10月27日付け

 九月に正式雇用が増加したというニュースは十九日付本紙三面にも出たが、ブラジル地理統計院(IBGE)は、六大都市における九月の失業率が九%に低下したと発表した。この数字は、前年同期比で一%減、前月比で〇・五%減となっている。
 二十五日付エスタード紙によると、九月中に登録された人員募集者数はサンパウロ市だけでも三三万三〇〇〇人に上ったとしているが、これから年末にかけては季節柄、雇用がさらに増える時期であるため、この失業率はさらに低下すると思われる。失業率九%という数字は、今年最低であると同時に、二〇〇二年に新しく調査を始めてからの九月の統計としても最低。また、一月から九月までの平均失業率は九・七%で、これも〇二年以来の最低値である。
 二十五日付フォーリャ紙にはさらに、失業率低下の牽引車となったサンパウロ市では、工業部門での雇用が七万二〇〇〇人(四%アップ)、教育、保健、公共部門の雇用が五万三〇〇〇人強(四・三%)といった数字も挙げているほか、三カ月連続で下がっていた平均所得も八月と比べ、〇・三%アップの一一一五レアル(前年同期比二・五%アップ)となったとしている。
 また、九月の商業利益は八月比で二%減(フォーリャ紙。ただし、一日付アジェンシア・エスタードによるとサンパウロ市での九月の小売は八月比一二%減)だった。
 ここで少し気になるのは、二十五日付本紙でも報じた失業保険の支給増の問題。景気好調といわれる中で、企業の消費人事による雇用期間の短縮と労働者の新陳代謝のサイクルが一般化し、失業保険や勤務年限退職積立金(FGTS)の支払いが増えているというのだが、今回発表の失業率低下の統計には、労働者の新陳代謝サイクルについては具体的に現れてきていない。二十五日付エスタード紙による就業レベルの報告で、一〇年以上働いている人の割合が五一・三%で〇二年来最高との数字が出ているが、同一企業で一〇年以上か、通算で一〇年以上かを特定できないため。