ニッケイ新聞 2007年10月27日付け
100万人が避難、焼失面積は1950平方キロ。炎上した家屋が1500と―とにかく大きい。米カリフォルニア州史上最大とされる山火事は21日に発生し、今も山々は燃えている。最大被災地のサンディエゴには日本からの進出企業と駐在員や留学生も多い。この火事で焼けたのは、これを記しているときで東京の面積の約9割にあたるそうだから驚くしかない▼しかも―10000戸以上の家屋が火災の危険に晒されているそうだから―恐ろしいの言葉しかない。シュワ知事は「乾燥・高温・強風の悪条件が重なった」と語ったが、今年のカリフォルニアは雨が少なく高温と強い風が吹いた。ブッシュ大統領も現地を視察し「甚大被災地」に指定し、救援物資などの支援を強化する方針だが、小さな国のニッポンでは想像もつかないような大火災である▼この火事はカリフォルニア南部の数ヵ所で起き消火作業も困難を極めている。州の消防隊や州警兵だけでは人手が不足し軍隊も出動。軽飛行機が消火の化学薬品を散布しているけれども、気象条件が悪く所期の目的を果せないらしい。発火原因も電線トラブルや車両火災説もあるし、放火の疑いも強い。すでに容疑者を逮捕したとか疑いのある人を警察が射殺の報道もあり、情報が混沌しているのが現状といっていい▼それでも、火勢は少し衰えているらしい。だが、延焼は続いているし、あるいは東京都を丸呑みにする山火事になるかもしれない。ハリウッドの俳優や歌手らが暮らすマリブでも邸宅が燃えているしターニア・タッカ―ノ宅も炎上と被害は広がるばかりなのが怖い。(遯)