ニッケイ新聞 2007年10月30日付け
各国の警察とJICA(国際協力機構)が協力して行っている中南米地域国際セミナーが、十八日から二十日までルース区の上級幹部教育センター(CAES)で行われた。
同セミナーは今回で三回目。最初は二〇〇六年二月末にグアテマラ、二回目は〇七年三月にエルサルバトルでそれぞれ行われた。今回はブラジルの軍警が主催して、JICAが協力。
セミナーには地域住民をはじめ、警察関係者、その他の地域ではホンジュラスから二人、グアテマラから二人、ニカラグアから一人、エルサルバトルから五人の約八十人が参加した。
三日間のうち、各国の警察事情などについてのプレゼンテーション、JICAの協力によりブラジル内で実施されているモデル交番の視察などが行われた。
サンパウロ州内で活動している石井孝JICA長期専門家は、日本の交番・駐在所制度やその歴史を紹介。また、同時進行でブラジルに導入されている地域警察プロジェクトの説明を行いながら、日伯の共通点や違う点などについて話した。
長期で日本の交番制度を入れている地域はないために、各国の参加者たちは熱心に話を聞いていた。中南米各国の事情は、ブラジルの警察関係者や地域住民たちの関心を引いていた。
プレゼンを終えた石井専門家は「こういった場でモデル交番の紹介を行えたことが良かった。これを機にさらに日本の交番制度が各国に広がっていけば嬉しい」と笑顔で話していた。