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ボリビア、ブラジルに泣きつく=ブラジルが借款供与を検討=開店休業の石油施設=初めから分かっていた痴話

ニッケイ新聞 2007年10月31日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】大統領国際担当顧問のマルコ・A・ガルシア氏は二十九日、ペトロブラスがガス採掘でボリビアへの再投資継続を検討中であると述べた。ボリビアではモラレス大統領が資源国有化を宣言し、武装軍隊を石油精製所へ差し向け理不尽な強制立ち退きをさせた経緯があるにも関わらずだ。ルーラ大統領は十一月、ボリビアを訪問しブラジル政府の借款を供与する。政府は、モラレスの頭が正常に帰したのは驚くに値しないという。
 「ボリビアだけで何もできないこと」に、モラレス大統領は今、気づいたようだ。ケガをしてみないと、痛みがわからないらしい。ルーラ大統領は、既に二度ボリビアを訪れた。しかし、二人だけでジックリ話す機会はなかった。
 十一月の訪問は、初めて十分に話せる。今度は、両国の関係修復とエネルギー問題を協議する。大統領には、鉱動相とペトロブラス総裁が同行。ブラジルの目的は、ボリビア・イタウ鉱床の資源開発である。
 ボリビアのヴィレガス石油相が二十六日、ブラジリアを訪れウブネル鉱動相やペトロブラスのガブリエリ総裁と会った。十一月の連休に両人が、ボリビアへ赴き詰めの話に入り、大統領の道備えをする。
 ペトロブラスの出戻りは、初めから分かっていた。ボリビアには、運転資金がない。問題は、ボリビアの不安定な政局である。ブラジルとボリビアの間に、国交を断絶するような特異性はない。頭を冷やす時間を与えただけ。
 ボリビア政府は、石油施設の接収や同国内で農業に従事するブラジル人生産者の強制立ち退きなど過激な行動に出た。ブラジルは、ひたすら隠忍自重をした。ボリビアは南米の最貧国で、ガスは溺れる者のワラのようなもの。
 モラレス大統領は、政治的に行き詰まっていた。議会は空転、接収した石油設備は開店休業状態にある。大統領に就任して二十一カ月、成果は混乱だけ。ブラジル向けガスの供給は、モラレス大統領が保証したにも関わらずクイアバ火力発電所が止まった。
 頼りのチャヴェス大統領の救援資金は、待てど暮らせど来ない。イランやロシアの救援も考えたが、急場には間に合わない。頼るは遠くの親戚より、近くの他人である。しかも、一度足蹴りにしたブラジル。それなら先ずは、ペトロブラスとなったようだ。