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リベルダーデに再活性化計画が浮上=サンパウロ市=4千5百万レの巨大構想=東洋街を「江戸時代」風に=資金集めが今後の鍵=地元商店主の同意は

ニッケイ新聞 2007年10月31日付け

 二十一世紀の技術を駆使し、リベルダーデに江戸時代の日本を再現する――?! 二十三日、サンパウロ市の都市景観保護委員会(CPPU)が、ONGカリポリス(創業者=マルシオ・ルピオン・マッキンゼー大学教授、建築家)とリベルダーデの一部商店主らが提出した『リベルダーデ再活性化プロジェクト』を受諾した。同計画は、今年四月に施行されたサンパウロ市美化条例を考慮した上で、中、韓の文化要素を取り混ぜた日本的な街並みを作り出し、〃観光街〃としてリベルダーデを整備しなおすというもの。実行には地区内の商店主による承諾が必要となるが、これまでのところ、内容が周知されておらず、コンセンサスは得られていない。リベルダーデ文化福祉協会(ACAL)の池崎博文会長は、ニッケイ新聞の取材に対し、「街を良くする計画なのだから応援していきたい」と前向きな姿勢を示している。
 同プロジェクトでは、東洋風の旗や堤燈、竹細工や飾りで町を装飾し、一九九七年に天皇皇后両陛下が通られたトマス・ゴンザカ街、ガルボン・ブエノ街、リベルダーデ広場周辺を「天皇の道(Caminho do Imperador)」として整備する。
 さらに地域内四つの陸橋をリフォームし、ホログラムを使用して、夜間、宙を舞うドラゴンを演出。アルメイダ・ジュニオール広場には、六メートルに及ぶ仏像を建立するという。
 「リベルダーデがモデル地域として生まれ変わる。市と協力して、伝統を保った大きな屋外ショッピングゾーンにしたい」。長年日本建築に関する研究に携わってきたルピオン氏は、壮大な構想のプロジェクトを立ち上げた。
 サンパウロ市役所によれば、プロジェクトの概算は約四千五百万レアル。市からの予算はなく、一般企業からの出資を募る計画で、これから資金集めの方法を練っていくようだ。
 ただ、CPPUによる受諾には、リベルダーデ内の商店主多数がプロジェクトに承認すること、との要件がついている。そのため、ACALの同意は必要不可欠となる。
 今年六月、サンパウロ商業協会長らも招いて、ルピオン氏らによる説明会が行われたが「聞いているだけ」の内容で「誰が企画しているのか、誰が金を集めるのかわからない」と、あるACAL関係者。
 資金に関しても「ACALには考えられない金額で、政府にお願いした方がいいのでは」との声もある。
 一方、池崎会長は「煮詰めるのにもう少し時間がかかる」としながらも、「これはACALの一番の仕事だと思っている。先頭に立って、リベルダーデに日本街を再現したい」と前向きな意向を示した。