ニッケイ新聞 2007年11月01日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】暫定金融税(小切手税)の期限延長で政府は三十日、野党PSDB(民主社会党)上議らの要求を入れ、二〇〇八年一月から同税を現在の〇・三八%から〇・三六%へ引き下げる意向を示した。しかし、PSDBは期限延長を飽くまで一年のみとした。PSDBにとっても、次期大統領選の切り札になるからだ。
また医療予算も、同税最終期限の二〇一一年まで段階的に増額するという。これで医療への交付は、現行の〇・二〇%から〇・二四%へ引き上げられる。政府案は三十一日、PSDBとの昼食会で提示され、合意に至れば決定する。〇・〇二%減税で二〇〇八年度税収は、二〇億レアル減る。小切手税の税収は、総額で四〇〇億レアルから三八〇億レアルになる。
銀行取引が月間一六四二レアル以下の納税者には、同税を免除する案もあった。チューリッヒ訪問中のルーラ大統領の帰国を待って決めるらしい。それにしても政府の譲歩は、僅か五・三%である。
PSDB要求六案のうち五案は、すでに政府が呑んだ。拒否した一案は、延長を一年のみとし政府の土台に揺さぶりを掛けたこと。これは次期大統領選挙への王手となるので、何としてもできない話だろう。現在徴収する小切手税〇・三八%のうち〇・二〇%は医療へ交付している。
医療予算の段階的増額は、二〇〇八年が〇・二四%。二〇〇九年が〇・二五%、二〇一〇年が〇・二六%。二〇一一年が〇・二八%。二〇〇八年は医療予算が二〇億レアル減税されても、四〇億レアルが増額される。
しかし、PSDBは暫定金融税の延長を飽くまで一年とし、食い下がるらしい。減税だけでは、お手を拝借とはいかない。昼食会は、小切手税延期案の代償とする財務相のみやげ物の内容を、何か見せてもらうと息込んでいる。