ニッケイ新聞 2007年11月01日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】亜国は過去四年、国内総生産(GDP)四九%増という発展振りをみせ、それに伴って政府の基盤強化を盛り込んだ社会協定を起草中であるとキルチネル次期大統領が発表した。社会協定は、政府と労組、企業の間で結んだスペインのモンクロア協定に倣ったもの。
協定は、クリスマスまでの暫定的なもの。協定は、インフレとサラリーに触れた。労組は企業へ三〇%ベアを要求し、それに対し企業と政府は一三%の回答を寄せた。サラリーを一三%で抑えるのなら、インフレを六・五%に抑えるよう労組が政府に要求、それを調停する協定である。
二〇〇七年の実質インフレは、二〇%。協定が機能するために、労組がストを中止し企業が値上げを中止しなければならない。企業には、外国投資を促す公約をした。また政府がエネルギー安定供給の公約を守るかも、企業は注視している。エネルギー分野への投資を促すため現政権は、民間へ委託した公共サービス料金を自由化した。数々の公約を守り、辻褄を合わせるための社会協定だ。