ニッケイ新聞 2007年11月01日付け
百周年事業の一環として計画されているマナブ・マベ日伯近代美術館。来年の移民の日までの完成をめざし、現在、関係者が準備を進めている。同事業はサンパウロ市の旧カンポス・サーレス校を修復、画家の故・間部学氏をはじめ日系アーチストらの作品を展示する美術館として整備するもの。事業を推進するマナブ・マベ協会(Instituto Manabu Mabe)が十月二十三日、イビラプエラ公園内のサンパウロ大学現代美術館(MAC/USP)で報道関係者に会見、進ちょく状況を報告した。
今回説明を行ったのは、息子の間部ユーゴ氏と作品修復担当、建築家のアントニオ・サラザー氏。壇上に上がりマナブ・マベ美術館についての説明を行った。
同事業は、リベルダーデ区サンジョアキン街にある、九二年に焼失した旧カンポス・サーレス高校の校舎を改装、美術館として整備するもの。
改築の総工費は約一千万レアル(約六億円)。工事は三段階に分かれ、第一段階として建物内部の清掃、修復、第二段階で美術館として改修・整備。最後に総仕上げを行う。来年の移民の日までの完成を目指している。
現時点で予算の三五パーセントが集まっており、第一段階の作業はすでに始まっている。同協会では今後もスポンサー集めを進めていく考え。ユーゴ氏によれば、日系企業など興味を示しているところもあるようだ。
完成後は間部氏の作品をはじめ、有名日系美術家の作品を展示する計画。また、笠戸丸のレプリカを飾る計画もある。
息子の間部譲さんは「父親の間部学がブラジルにもたらした巨大なものを知ってもらいたい」と完成に向けた意気込みを話した。