ニッケイ新聞 2007年11月02日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一月一日】ジョビン国防相は三十一日、空便搭乗客のラッシュがまだ五カ月続く見通しであるが、来年三月にシーズン・オフに入れば航空トラブルは正常化し、安全よりも快適さが問われるようになると述べた。一方、優柔不断な対応が糾弾された民間航空庁(Anac)のズアナジ前総裁は三十一日、国防相のマスコミ人事を批判しながら辞任した。さらに航空運賃の値上げで空の旅を金持ちの独占にし貧乏人を締め出したのは、航空行政の責任だと述べた。
連休ラッシュに備え標準規格化された空港管理公団(Infraero)の空港サービスは三十一日早朝、クンビッカ国際空港で始動した。これは政府と空軍が、航空トラブルの再発に備えて規格化を指令していたもの。お盆の連休に備えて空軍は、下士官に特務命令を含んで航空管制塔へ配置した。
連休ラッシュによる長蛇の列ができたのは、国防相が「来年三月で全て正常化」と発表した直前であった。空軍は万一ストなどのトラブルに至れば、ベテラン予備役を招集するらしい。空港管制塔要員は、昇格に関する要求が受理されないなら時間外勤務を拒否するという。これは実質的に六・五%のベア要求である。連休ラッシュによるトラブルは、予測できたことで航空各社の責任であると、国防相が叱責した。
二三人の責任者を告発した航空トラブルCPI(議会調査委員会)は三十一日、九人を部外者として放遂し幕を閉じた。九人の中には、空港管理公団の前総裁ウイルソン下議(PT=労働者党)やAnac前理事のデニーゼ・アブレウもいる。九人は同公団を舞台に公金横領に関与した大物で、大統領府の厚い保護を受けた。一四人は雑魚。
ズアナジ前総裁は、悪態をつきながら一年半総裁を務めたAnacから去った。辞任の挨拶で空軍と空港管理公団、国防相を、素人の技術屋とか新米大臣、隠密行政とこきおろした。在任中に二度の航空大惨事を起こしたことで、Anacの機能不全が問われていた。国防相は前総裁を、政治家に取り入り、口先で世渡りをする人間と一蹴した。