ニッケイ新聞 2007年11月02日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十一月一日】世界経済フォーラムは三十一日、ブラジルの国際競争力が一三一カ国の中で六六位から七二位へ後退したとする報告書を発表した。
大きな原因は、税金らしい。続いて金利のスプレッド(金利差)や官僚システム、公費の無駄使いなどが、ブラジルのマイナス要因となったようだ。トップは米国に続いてスイス、デンマーク、スエーデンなどとなっている。
ブラジルはアゼルバイジャンなど毎年、その競争力が向上しない国々の後に従っている。ブラジルは一三一カ国の中で、最重税国である。スプレッドでは後にジンバエフがいるだけで、後を見ながら走る短距離選手のようだ。
スプレッドの平均指数とは、銀行が調達した資金を
顧客へ融資するときの金利差をいう。それが、ジンバエフの年利二九三・一%に負けるだけという信じられない事実がある。政府のムダ遣いは、世界で一二七番目。官僚システムは、世界で一二八番目。
政治家の信用度では、ブラジルより劣るのが五カ国だけ。義務教育の質では、世界で一二〇番目。ブラジルよりダメな国は、一一カ国があるだけ。法整備では、一〇五番目。インフレやリスクが抑制されたに関わらずマクロ経済や法治国家への評価は、厳しい点がつけられた。
公共債務は、九九番目。インフレは六一番目。認められたのは、企業の経営管理が三九番目とイノベーションの四四番目位。経済産業省は、同報告にノーコメント。財務省も質問に、梨のツブテであった。とかく比較されるチリーの二六番や中国三四番、インド四八番には遠く及ばない。
仮にベネズエラがメルコスルに加盟しても、メルコスルやブラジルは国際競争力で変化がないと専門家は見ている。ヴェネズエラは国際競争力の劣る国で、これからも後退こそすれ前進はない。話題の中国は常に改革をする国で、改革が止まったら直ちに国際競争力は蒸発してしまう。