ニッケイ新聞 2007年11月06日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十月五日】カンポス・デ・マルテ基地を離陸した小型ジェット機が四日、離陸直後に基地から近いカーザ・ヴェルデ区の民家に墜落、生後十カ月の乳児を含む一家六人と操縦士、副操縦士が死亡した。民家は四軒を破損し、住民二人が怪我をした。
航空事故は三カ月前、TAM航空が一九九人の犠牲者を出した大惨事の悪夢も覚めぬうちの出来事だ。Anac(民間航空庁)は小型機のエンジンに異常はなかったと発表したが、離陸直後に墜落するのはエンジンの異常しかないと専門家らはコメントした。
Reariエアータクシー社の小型ジェット機は午後二時、リオデジャネイロ向け離陸し、基地から二キロメートルの地点に墜落した。証言者の話によれば、同基地から離陸すると左旋回するのが普通であるが、同機が右旋回したことで異常を感じたという。他の証言者によれば、離陸直後すでに同機は均衡を失い調整かなわず突然、急降下を始めたと述べた。管制塔は同機に旋回修正を命じたが、すでに連絡を絶っていたと報告した。
民家の住民は二人が、マンダキー病院に収容された。他は無事救出され、ホテル・イビスへ避難した。ベルナルジーノ・デ・セナ街の破損した民家四軒のうち一〇四番と一一八番の二軒は、即時解体する。一〇四番の住民マルレーネさん(六七)は、変わり果てた我が家を見て生きているのが不思議という。
残る一二〇番と一二六番も、小型機の残骸を片付けたら解体する。消防隊が来て、残ったガソリンを回収し爆破の危険は去った。両翼にあるガソリン・タンクを傷つけずに回収するのは、特殊技術を要するそうだ。そのために事故近辺の電源を切って、火気を一切止めたらしい。
コンゴーニャス空港の航空事故で、カンポ・デ・マルテ基地の発着が三〇%増えたようだ。コンゴーニャス空港の使用許可が出ない場合、同空港への切り替えがオプションになっている。そのため同空港のインフラ整備が急務となった。