ニッケイ新聞 2007年11月06日付け
〃日本移民ゆかりの地〃レジストロで一、二両日、今年も伝統の灯篭流し(山村敏明実行委員長)が盛大に行われた。五十三回目となる今回は、百周年のプレ・イベントとして例年以上の規模で実施。二日夜には昨年より多い二千七百基の灯篭が流され、幻想的な灯が、色とりどりにリベイラの川面を照らした。
一九五五年、リベイラ河で溺れ死んだ犠牲者を供養しようと、ブラジル日蓮宗により始まったレジストロ灯篭流し。今年もレジストロ文協、市とブラジル日蓮宗、レジストロ・ベースボール・クラブが共催。会場となったリベイラ河畔のパルケ・ベイラ・リオには二日間で約一万五千人(主催者発表)が来場した。お盆の風物詩を見ようと、サンパウロなど遠方からも二十台ほどのバスが訪れた。
二日午後六時から広場近くの水難犠牲者追悼碑前で執り行われた「世界平和並びに先没者慰霊」の合同法要では、ブラジル日蓮宗の石本妙豊主任が導師をつとめ、水難犠牲者の冥福を祈り、追悼の言葉を捧げた。
法要には川本イネス副市長、那須野秀男・同市百周年委員長ら地元関係者のほか、飯星ワルテル連議、松尾治百周年記念協会執行委員長、開催に協力した清水オリジオ・レアル銀行取締役(文協財務担当理事)なども出席。川本副市長は同イベントが同市にとって重要な行事であることを強調、さらに百周年プレ・イベントとしての開催を「日系社会の習慣を伝える機会」と述べた。
出席者の焼香後、法要に参加した地元のカトリック、プロテスタント、生長の家、立正佼成会の代表がそれぞれ平和祈願を行った。
法要の途中に強く降り出した雨も、灯篭を流す時間になるとほぼ止み、予定通り約二千七百基の灯篭が上流から順々に流された。時折小雨の交じる天気ながら、色とりどりの灯篭の灯が川面を照らす光景を、訪れた人たちは静かに見つめていた。
その後広場では、櫓を囲んでマツリダンスと盆踊り。盆踊りではサンパウロからの来場者も加わり、踊りの輪は二重三重へと広がった。
予定より少し早めの午後九時半ごろから、初日に続いて河の対岸で花火を打ち上げ。壮大な光がレジストロの夜空を明るく照らすたび、訪れた人たちから歓声が上がっていた。
このほか、二日午前九時からは、今年もリベイラ河にかかる国道116号の橋近くで、生長の家による交通事故犠牲者追悼法要を実施。また午後三時からは同広場で、昨年に続き二回目となる奉納相撲大会が行われた。
相撲大会には地元レジストロをはじめ、サンパウロ、サントアマーロ、スドエステから約八十人が参加した。男女それぞれ幼年、少年、準青年、青年のカテゴリーに分かれて熱戦を披露した。
五十三回目の開催を終え、「これから反省会で改善点を話し合いたい」と話す山村実行委員長。「来年は百周年の本番。雨が降ってもできるよう会場のテントも整備したい。もっと大きく、今までにないことをやりたいと考えています」と意気込みを語った。