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国防相、機体整備に警告=民間機の保全責任はどこに=経済好調で激増する小型機

ニッケイ新聞 2007年11月07日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】ジョビン国防相は五日、民間航空機やエアータクシーの機体整備に対する監督管理が機能しないことを認めた。民間航空庁(Anac)の監督官が現在、三百九十人で一万一千三百二十機のヘリと民間小型機の整備管理を監督している。
 整備の監督はあるが、それで機能するかは別問題と同相がいうのだ。国防相に就任して五カ月、民間機の整備責任は、監督機関ではなく民間航空会社にあると述べた。民間航空会社の不始末で起きる事故は、国民の税金で養われる政府機関の責任ではない。
 Anacは航空機の定期検査を行い保全状態を調べるが、搭乗客を運ぶのに機体が危険か安全かの判断は、航空会社の責任であると国防相がいう。
 Anacの前身DAC(民間航空局)は八〇年代、少数の監督官で機体の整備監督を行っていたが、管理不十分であるとして国際機関から抗議を受けた。それでDAC時代が、整備監督の絶頂期となったようだ。Anacに代わってから、国際機関の警告などどこ吹く風である。
 特にカンポ・デ・マルテのような小空港における機体の整備監督は、殆どないも同然。機体の整備管理は普通、機体の製造元が行う。小型機は機体の使用度によるが、飛行時間五十時間から三百時間毎に総点検と整備を受ける。
 エアータクシー業界は過去十年、低迷していた。それが経済好調でここ一年、需要が二〇%も急増した。エアータクシーが運ぶのは、人間ばかりではない。景気好転で企業の注文が増え、何でも運ぶ。またコンゴーニャス空港のトラブルで小型機の発着は、同空港から追い出された。
 大型空港の離着陸パニックで企業家は、定期便を使わず小型機を利用している。そのため企業家の予約やチャーターが増えた。個人の自家用機も最近激増し、その数は過去一年で四〇%増となった。そのため空の白タクも増えた。