ニッケイ新聞 2007年11月07日付け
第四十五回江差追分全国大会が去る九月二十一日から二十三日まで、北海道の江差町で開かれた。毎年代表を派遣している江差追分会ブラジル支部からは、赤堀正義セルジオさん(27、三世、タウバテ民謡会)が一般の部に出場し、特別賞を受賞した。
ブラジルからは今年、赤堀さんのほか、六十五歳以上の熟年の部に高井勲さん(73)、会田郁子さん(73)の二人が出場。同ブラジル支部の石川諭支部長ら七人が応援のため同行した。
海藤三味線教室の海藤司代表が叔父にあたる赤堀さんは十五歳から民謡、十七歳から江差追分を始めた。「最初は遊び半分だった」というが、二年前の江差追分ブラジル大会で三位に入賞、そして今年六月の大会で初優勝を果たした。
赤堀さんにとっては初めての日本。「歌う前の三時間ほどは、立っても座ってもいられない気持ちでしたが、素晴らしい尺八の演奏で気持ちが豊かになって、いい感じで歌えました」と大会を振り返る。
大会にはブラジルのほか、ハワイや北米からも代表が参加した。一般の部には全部で百九十六人が出場。五十人に絞られる決戦会への通過はならなかったが、赤堀さんには特別賞が贈られた。
十月八日に帰国、石川支部長とともに本紙を訪れた赤堀さんは、「日本に着いた時、外国にいるような気がしなかった。本当にすばらしかった。チャンスを与えてくれた両親や石川、海藤両先生に感謝したい」と日本滞在の感動を思い出していた。
「立派に歌いました」と大会を振り返る石川支部長。「日本での感動や経験を少しでも他の人に伝えてほしい。そうして愛好者の輪が広がっていけばいいと思います」と期待を表した。