ニッケイ新聞 2007年11月07日付け
リオのカーニバルで百周年を祝おう―――! 二〇〇八年の日本移民百周年を記念し、「日本移民百周年―移民船でもパゴッジ(サンバ系軽音楽)」をテーマに準備を進めているサンバチーム「ウニードス・ド・ポルト・ダ・ペドラ(Unidos do Porto da Pedra、ウベラン・デ・オリベイラ会長)」が日本やブラジル在住の日本人及び日系人にパレードへの出演を呼びかけている。同チーム関係者は、「世界中に生中継される世界最大のお祭りで日本移民百周年を一緒に祝いましょう!」と話している。申し込み先となるリオデジャネイロ州ブラジル日本移民100周年祭・日伯交流年実行委員会の鹿田明義委員長は、「ブラジルと日本移民の歴史を知るいいチャンス。日本の人に是非参加してほしい」と期待している。
日本人及び日系人の参加予定人数は最低二百人以上。移民を表現するグループの山車「笠戸丸」の前後で踊ることになる。
仮装衣装並びに参加費用は四百レアル。同チームの歌と踊りを覚えるため、事前練習への参加が必要。年齢は十二歳以上となっている。
同チームが広報しているパレード概要によれば、出だしのイメージは、「歌舞伎」。続いて、チームマスコットである虎、京都の金閣寺、仏陀などのイメージを模した山車が登場する。
そして、笠戸丸に始まる移民の歴史として、日本から持ち込んだ農業技術や品種、料理や武道などの文化の融合、日系社会、リベルダーデ東洋街などをモチーフにした行進になる。
ブラジルの若者に大きな影響を与えているマンガやアニメなどのポップカルチャーに加え、デカセギや浅草のサンバカーニバルのイメージも扱われ、八台の山車、総勢三千五百人がサンバのリズムで百周年を祝う。
本場リオのカーニバルでグルッポ・エスペシアルが日本をテーマにするのは、同チームが初。〇七年にはグルッポ・エスペシアルの十三チーム中、十位だったが、今回、百周年を機会に巻き返しを図る。
九三年、有名サンバチーム・サルゲイロ(GRES Academicos do Salgueiro)を十八年ぶりの優勝に導いたマリオ・ボリエロ氏がカルナヴァレスコ(美術監督)を担当。ニッケイ新聞の電話取材に対し、「日本人は新しい技術やいろいろな良いことをブラジルに持ち込んだ。顕彰するのに相応しい」と語った。
詳細は同委員会(電話=21・2240・4440、FAX=21・2220・7774)、メールは secr100anos@japao-rio.org.br(担当大内、カタリーナ、日本語対応)まで。
テーマ曲『日系移民100周年~マルにはパゴッジがある』
作者:ダヴィ・ソウザ、ファビオ・コスタ、カルロスジュニオール
ブラジル!日系移民100周年を迎えるニッポンへ向って扇子を開こう
ショーが幕を開ける
サン・ゴンサロ(本拠地)から、チグレ(虎の意、トレードマーク)はトラに身を変える
千年の文化を持つ天皇
黄金の時と母なる自然
繊細さとともに、平和の風が吹きつける
光、竹、ボンサイ
サンバの母、バイアーナが回る
桜の花が咲き乱れる
信念を乗せた大いなる旅路
希望が航海にでる
マル(丸、移民船の意)が大海を渡る
幸運をつかむため、強靭な腕で大地を耕す
絶え間ない創造と自由
光と色彩の親愛なる大地
天性の力はサムライを生んだ
マナブ(マベ)は創造の父
空が導く手は紙を折り
それは平和の一片のオリガミ
スシを味わおう
マンガにみた猫は、幸せのマネキネコ
東洋の心がやってくる
デジタル世界が私を支える
太陽の生まれる国ニッポンが、私たちを照らす
アサクサで今こそ私の歌声が響き渡る
心を奮わせ、涙が流れる
真実こそが私の心を打つ
それはポルト・ダ・ペドラ、私の情熱
ショーの終りに拍手しよう
私が涙を流しても許してほしい