ニッケイ新聞 2007年11月07日付け
今年で開設から七十二年を数えるサンベルナルド・ド・カンポの瑞穂村。〃村〃という呼び名で言えば、スザノの福博村に次ぐ長さだ。
戦後の母国救援運動、養鶏村としての繁栄など多くの逸話がある瑞穂村だが、七〇年代に始まる工業化の波に洗われ、現在植民地内に住む日系家族は三、四家族という。
とはいえ、文協会員は今も百家族。日本語学校では百人ほどの子供たちが学ぶ。村は離れても、今も瑞穂を中心に人々は集まっている。
今年も恒例の慈善バザーが開かれ、昨年の半分とはいえ八百人近くが集まった。会場で聞こえた、かつての住人が話した言葉が印象的だった。「ここに来ているうちは、会えるからな」と。
そのバザーも婦人会の高齢化で開催準備が中々大変な様子。旧知の仲間が集う機会、また地元の恒例行事としてぜひ続いてほしいものだが。(ま)