ニッケイ新聞 2007年11月08日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】米連邦準備制度理事会(FRB)は三十一日、政策金利の〇・二五%引き下げを発表した直後、新たな不動産バブルの崩壊を警告した。その余波はブラジルにも当然、波及するものと思われる。
シティコープは第3四半期に三六億ドルの欠損を発表し、年度末決算では一一〇億ドルの損害と見られチャールス頭取は引責辞任を余儀なくされた。FRBのバーバンク議長は、不動産ローンの泥沼が底なし沼だと告白した。
多くの舟は帆柱が折れただけで、沈没には至っていない。次の嵐がやって来たら、救助船は期待できない。金融危機に備えて七五〇億ドルのスーパーファンドの設立話はあるが、誰もたじろいでいる。
金融危機にドル通貨の下落という副作用があることは、ブラジルでは誰も身に沁みて知っている。それでも途上国はせっせとドルで外貨準備を蓄えている。もう一つの副作用は、米経済の没落だ。これだけのことは、覚悟をしておくこと。