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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2007年11月10日付け

 昨年十二月に静岡県であったブラジル籍男性による母子三人殺害事件。被害者は派遣社員のブラジル人女性とその息子二人。凶悪事件として日本のメディアも一斉に報じた。
 そんな事件の容疑者が、現在もブラジル内で身をくらましているとみられる。事件発覚前に帰伯するという計画的な犯行内容に、この容疑が事実だとすれば、末恐ろしい話しだと感じてしまった。
 しかしそんな印象で容疑者の兄の妻に容疑者の人柄を尋ねると、「彼はカトリコで感じのいい人だった」という。そんな彼女の話しを聞いていると、容疑者がどんな心境で犯行に及んだかは全くもって推し量れない。
 「夫は弟が無罪であってほしいと信じているはず」―。容疑者の兄であり夫の心情をこう代弁する妻。電話越しの二人の声からは、親族にとっても信じ難く辛い話だとの印象を強く受けた。(泰)