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米国発不況を迎える=ブラジル内市場が頼みの綱に=不況の荒波まともに被らず

ニッケイ新聞 2007年11月13日付け

 世界最大の銀行と目されるシティグループとメリル・リンチの頭取が、不動産ローンの焦げつき責任を取らされ解雇されたことで世界の金融界が動揺したとエスタード・デ・サンパウロ紙が十二日、報道した。ブラジルとラテン・アメリカの経済も直撃ではないものの、米景気の落ち込みで緩やかな低迷は免れないと財務省は見ている。
 しかし、ブラジルはこれまでに短期の外債を殆ど決済し、荷を軽くしておいたことが正解であったと関係者は異口同音にいう。そのために今回の金融危機でブラジルが受けた傷口は、小さくて済んだ。外債決済の他にブラジルは、為替変動制と外貨準備、安定経済政策を取り入れていたことが意外に功を奏した。
 金融危機の発端は、カリフォルニア州の不動産ローンによる契約不履行であった。その後アリゾナ州やテキサス州へ飛び火し、ブラジルなどで広く営業をしているシティグループをも不良債券の嵐に巻き込んだ。多くの米大手銀行は、総額で約六百億ドルの不良債券を抱え込んでいる。
 米証券委員会は、銀行に粉飾決算をしないで不良債券を正直に発表するよう圧力をかけた。これで不動産ローンに限らず全ての紙くず債券が吐き出されるので、最後の晩餐はお開きとなりそうだ。米金融市場に出回っているサブプライム証券の三〇%は、紙くずとみなされ総額で一千九百億ドルとさえいわれる。
 ブラジルの経済関係者は米経済の落ち込みが明白となったことで、マクロ政策が米経済の後退を織り込みながら国内需要を支え、消費市場を育てて行くしかないと見ている。しかし、ブラジルの経済指数がよいので米発不況の荒波をまともに被ることはない。
 ブラジル国内で動揺が生じるのは、外資の動向と思われる。特にクレジットのパニックによって引き起こされるブラジルのリスク債券が、要注意といえそうだ。クレジット・パニックが長引くなら、世界経済が冷え込むのでブラジルなどの途上国経済は本格的な試練期に入る。

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