ニッケイ新聞 2007年11月14日付け
最近、続けてサンパウロ市近郊の文協を訪れた。
いずれも長い歴史のある団体。訪ねた行事は異なっても、会員皆で取り組む姿はどこも同じだ。
そんな会の一つで、先日、創立五十五周年を祝う演芸会が開かれた。戦中、戦後に他所から移ってきた人が作った会。進行は今も日本語だった。
会場に張られた発足当時の写真。後方の丘陵まで会の建物以外何もない風景と、丘の中ほどまで家が建つ現在の姿が、半世紀の時を感じさせた。
この数十年で急速に拡大したサンパウロ市。都市化の波は近郊の日系社会に大きな影響を及ぼしたはず。その中で会を維持するには大きな苦労があったろうと、あらためて思う。 二世の会長の下、てきぱきと役割分担する大人、青年たち。一つ一つの団体の活動が現在の日系社会を支えているのだな、会の終わり、会館全体に広がる盆踊りの輪を見ながら思った。 (ま)