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政府が油田法改定へ=大油田歳入に五〇%増要求=契約条件で様子見の投資家

ニッケイ新聞 2007年11月15日付け

 サントス大陸棚のトゥピー油田の試掘で国家原油庁(ANP)のリーマ総裁は十三日、原油採掘による歳入を五〇%上乗せさせる意向だとエスタード・デ・サンパウロ紙が報じた。国内の油田では最大埋蔵量が見込まれるトゥピー油田四十一ブロックの試掘で、第九回目の入札を行う。
 四十一ブロックは、エスピリット・サント州からサンタカタリナ州に広がり、岩塩層の下に油田がある。試掘契約はこれまで、試掘
会社がリスクと費用一切を会社負担とし、さらに政府へローヤリティ一〇%を払った。そして原油の所有権が、認められた。
 これは、ブラジルやエクアドル、アンゴラなど埋蔵量が少ない国の試掘形式であった。しかし、大油田となると原油の所有権はなく、分配制になる。ブラジルは、この点、原油法を改定する必要がある。さらにベネズエラやメキシコのサービス方式もある。
 ブラジルは一九八〇年、イラクで大油田を掘り当てたがフセイン大統領に原油を取り上げられ、三億ドルの発見料で涙の撤退をした経験がある。この轍を踏まないため原油法の改定は、妥当性を重んじる。
 ペトロブラスのガブリエリ総裁は「所変われば、品変わる。契約は、ケース・バイ・ケースと多様性を持たせるべきだ」と述べた。リスクの高い地域や確率の高い地域、先行投資が行われている地域は、各々の規則を設けるべきという。
 原油法の改定で国外投資家の反応が、注目されている。米国の反応は驚かないが、国際習慣に逆流すると批評した。投資歓迎、分け前はブラジルへ有利にという勝手なものと批判。
 国際エネルギー委員会(IEA)が、トゥピー油田は試掘や採掘が高価なため投資も生半可ではないという。埋蔵量と油質を精密検査しないと、手放しで喜ぶのは早いと警告した。ブラジルの発表は、二カ所の試掘結果を基にしたもので、確かなことは採掘工程の段階で判明するという。