ニッケイ新聞 2007年11月17日付け
ジョビン国防相は十五日、大油田存在の可能性があるサントス大陸棚巡視のため、ブラジルは原子力潜水艦の保有を求めたとエスタード・デ・サンパウロ紙が報じた。さらに同相は「大油田の可能性は、その増産計画を推進するため核エネルギーの開発をクローズアップさせた。核は軍事目的の原爆製造ではないが、平和維持には力の裏付けが必要。これは地政学上、ブラジルが真剣に考えるべきことだ。ブラジルは、軍事費増額とともに核濃縮技術をも導入する」と予告した。
国防相はリオデジャネイロで南米とEUが対話をする国際治安会議の席上、ブラジルが大油田を抱えることで想定される侵略とテロ対策について講演をした。ペトロブラスの発表では、ブラジルの原油埋蔵量が五〇%増となる。油田保護のために核装備が必要になるという。
大油田発見は、ブラジルに軍事レベルの核開発と国家主権が求められていることを認識する必要があると述べた。それは、威嚇目的の原爆製造ではない。ポルトガルのテイシェイラ国防相も、ブラジルが世界各地へ平和部隊を派遣し、世界平和の重要な鍵となっていることで賛意を示した。
国防相は軍事強化の機器購入の際、軍事レベルの核開発機器の購入と技術導入も同時に行うと述べた。そのときは、話題の人ウンジェル戦略相の出番だ。同相はすでに、インドやロシア、フランスを同件で訪ねた。米政府へは、国防相と二人で行くらしい。
ブラジルはこれから、戦略プランが必要になる。石油ルート確保の侵略や防御ではなく、ブラジルの権益保護だ。ポルトガルで今年六月、ブラジルEU戦略会議が行われ忌憚なき意見が交わされた。さらにポルトガル語圏諸国にも、同様の戦略協定を結ぶ。
国防省国際戦略担当のモレイラ大将は十五日、ブラジルが原爆製造技術を保有することに同意した。同大将は下院のTV番組で「ブラジルは、水と食糧、エネルギーを豊かに有する世界で唯一の天国だ。万が一には誰もが狙う楽園だから、特別頑丈な錠前を掛けておく必要がある。ブラジルは、世界情勢を見て対岸の火事と思ってはならない」と発言し、原潜が原爆にすり替わっていることで関係者を驚かせた。