ニッケイ新聞 2007年11月17日付け
ルーラ大統領立ち会いの下、日伯方式のデジタルTV放送開始イベントが、十二月二日午後七時から行われることが発表された。首都ブラジリアにあるブラジル・ラジオ・テレビ放送協会(ABERT)は十四日、同イベントに関する調整会議を行い、出席した大統領に招待状を渡し、その場で出席が確認された。
これを報じたインターネット版グローボ記事によれば、最初にデジタル放送が開始されるのはサンパウロ市内で、同日に大統領によって開始ボタンが押されるセレモニーが行われる。
同記事中で、同協会のダニエル・ピメンタル・スラビエロ会長は「十二月二日の時点で、すでに幾つかのコンバーターが市販されているが、来年には一気に普及するだろう」との観測を語った。
既存のTV受像器でデジタル放送を受信するにはコンバーター(conversor)が必要。現状では約八百レアル以上。もしくは、最初から同機能付きのTV受像器を購入する方法もある。すでにセンプ東芝やSONYが同種製品を発表。来年には家電各社の製品が出揃い、加速度的に広まって、価格が手ごろになるのではとの予測もある。
この日伯方式は、日本方式(ISDB-T)を基調にリオ・カトリック大学やパライバ連邦大学が開発したソフトウエアー「Ginga」を組み込んだもの。スラビエロ会長は「現時点で世界最良」(グローボ紙)と胸を張る。
テレコ・サイト(www.teleco.com.br/tvdigital_cronog.asp)によれば、次にデジタル放送が開始されるのはリオ市で来年前半、大サンパウロ圏全体は二〇〇九年四月まで、他の州都では二〇一一年一月までに段階的に行われる。すべての市町村で視聴が可能になるのは二〇一三年六月。予定通りなら、二〇一四年のサッカーW杯ブラジル開催には間に合いそうだ。
なお、現在のアナログ放送は二〇一六年六月まで通常通りなので、それまでは今のTV受像器で視聴できる。