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決め手欠くPSDB=党大会へ向け大統領選人事

ニッケイ新聞 2007年11月23日付け

 大統領選で二回も連敗を喫したPSDB(民主社会党)は二十二日、党の建て直しを図るため第九回党大会に向け準備会議を開いた。すでにセーラサンパウロ州知事とネーヴェス・ミナス州知事の間で、水面下の腕相撲が始まっている。
 ジェレサッチ党首の後任に指名予定のゲーラ上議が二年の任期間に党公認の大統領候補を決める。選挙まで三年の時間があるが、党内闘争がしこりにならないため公明正大にしようと現党首が宣言した。党内配慮が先行し、中途半端な人選が行われないよう風通しもよくするという。
 候補希望者は二〇〇八年、ジョオン・ペッソア党大会で堂々と首実験を受ける。根回しや裏工作は、一切しない。アウキミン前サンパウロ州知事の選挙作戦部長を務めたゲーラ上議が中間派であることで、両有力候補の仲介役をかねて党首に押されたようだ。
 党役員については、指名か推薦かで水面下の争いが白熱している。敬遠される財務担当は、フォルテス下議に決まった。アウキミン候補の大統領選でできた借金二千万レアルを決済する責任があるからだ。
 PSDBはカルドーゾ前大統領の財務相時代、小切手税(CPMF)を生み、第一期政権では公社の民営化を行った。そのCPMFは、PT政権継続の切り札になった。ブラジル銀行とペトロブラスの民営化は裏目に出て、アウキミン候補が犠牲になった。
 他にもPSDBが生み、首を絞めているものがある。大統領の再選を合法化したのは、カルドーゾ前大統領であった。PSDBは大統領任期を五年にして、再選禁止にしたいと思っている。それよりもPSDBには、国民の心をつかむ決め手がないことだ。