ニッケイ新聞 2007年11月24日付け
来年三月ごろにブラジルの大学生と交流事業を予定している「日本ブラジル学生フォーラム」の齊藤慶太委員長(東京大学工学系研究科所属)が、このほど周辺事情視察を目的に来伯した。
同フォーラムは、夏休みなどを利用して学生同士が往来して、交流を深めることを目的とした学生の会。現在、アメリカや中国、インドなどと交流する学生フォーラムがある。
斎藤委員長によれば、来年の交流会では同フォーラムのメンバー約十人が来伯し、USPやブラジリア大学の学生らと、それぞれ一週間ほど交流できるように計画しているという。
同フォーラムは「〇二年ごろに一度結成されたが、その後活動が途絶えた状態になっていた」ところ、斎藤委員長らが再結成を呼びかけ、今年六月に再復活させた。メンバーは東京大学と東京農業大学の学生が中心。
東京で開かれた発会式にはブラジル側の協力者として、宮城県人会の中沢宏一会長らが参加。またアルファインテル南米交流の佐藤貞茂社長ら東京農業大学の先輩たちも、同会の発足を祝った。
斎藤委員長は日本ではブラジルに関する情報が不足しているとしたうえで、「BRICsの一角で、海外最大の日系社会があるブラジルとの交流は日本にとって今後ますます重要になる」と強調した。
また両国の時差が十二時間である点を指摘し、「IT時代の今なら両国はインターネットなどを通じて二十四時間仕事ができる。ブラジルには日本文化を理解するブラジル人や日本語を理解する日系人が多いことも利点」と説明した。
中沢会長も「両国の青年たちが新しい交流の形を模索しているのはすばらしくありがたいこと」と語った.。齊藤委員長は今月二十八日まで滞伯する予定。