ニッケイ新聞 2007年11月24日付け
故郷のテレビがマナブ・マベの人生を描く――。来年の日本移民百周年を記念して、テレビ熊本が日系画家の故・間部学氏のドキュメンタリードラマ製作を進めている。このほど同局から三人の関係者が来伯、撮影の下準備を行った。放送時間は約八十分。来年八月に再来伯して最終的な撮影を行い、来年十一月初め頃に九州のフジテレビ系列七局で放送される予定だ。夫人のよし乃さんは「良いドラマを作ってもらい、日本移民百周年記念もあわせて全世界に放送できるようなものにしてほしい」とコメントを寄せた。同局ではそのほか、今月下旬に、百周年のプレイベントとして夕方のニュースで県人の渡伯後の様子などを放送する。
今回来伯したのは、テレビ熊本の杉山幸宏報道制作局長兼報道制作部長、立田大助主事、カメラマンの立山秀登さんの三人。十九日に本紙を訪れ、内容を明らかにした。
一行は今月八日に来伯。マナウス、ブラジリアやリオデジャネイロ、サンパウロ、カンピーナス、サントスなどで取材を重ね、十九日に離伯した。
今回の一番の目的は、熊本県出身の画家、間部学氏のドキュメンタリードラマ製作に当たっての下見兼下準備。同ドラマでは間部氏の生涯を中心に、日本移民百周年に関することを放送する考えだ。
ドラマは来年十一月三日頃、九州地方にあるフジテレビ系列七局で放送される予定。時間は一時間二十分を考えている。来年八月に再来伯し、レポーターや俳優などを連れて本格的に撮影を開始する計画だという。
同ドラマはテレビ熊本が年に一回放送している、郷土の偉人シリーズの一つで、今回で十六回目。今回日本移民百周年とのことで、間部氏が選ばれた。
また、このほかに今月二十六日から三十日まで、日本移民百周年事業のプレイベントとして、夕方のニュース時間の三~五分間を使って、ブラジルにおける熊本県人の足跡を放送する。
具体的には、熊本県人移民や二、三世の子弟、同子弟の結婚事情、父親が同県出身の飯星ヴァルテル連邦下議、ヤクルト工場長などにスポットを当て、ブラジル事情について放送する。
杉山局長は「今回の取材は予定通り事が進んでいる。一時間二十分の放送はかつてないことだから、ぜひ成功させたい」と期待に満ちた表情で話した。
ドラマの製作について、よし乃夫人は「間部学を題材にしてもらって非常に嬉しい。駆け足で準備して、撮影をしているので大変だろうけど、いい作品を作ってほしい」と期待を表した。