上場企業、軒並み黒字=来年は溢れる資金で飛躍の年=「未来の国ブラジル」は死語に
ニッケイ新聞 2007年11月27日付け
ブラジルの上場企業大手二百二十社が第3四半期の決算で軒並み黒字更新と発表し、二〇〇八年は国際経済不確定時代の中、さらなる投資が呼び込めると二五日付けフォーリャ・デ・サンパウロ紙が報じた。海外が減速経済に遭遇するとき、国内市場がけん引車となって産業を盛り立てたのは幸いである。
前記二百二十社は第3四半期までに三六八六億レアルを売上げ、純益三九二億レアルを計上した。これは昨年同期比で、四五・六%増。これら企業の株価は、今年三七%上がった。同企業の債務は、昨年の一〇一億レアルから二八億レアルへ急減している。
債務の急減には、レアル通貨の高騰が手伝った。これに投資の盛り上がりが見込めることで、見通し楽観論が経営者を取り巻いている。資金調達が容易なことで企業買収も、拍車がかかりそうだ。産業の新開地として、北部と中央西部が注目されている。
世界最大の米市場の落ち込みを補うため国内が盛り上がっているのは、経営者にとって運がよい。産業開発銀行(BNDES)は毎月、昨年比一〇%増に当る七〇億レアルの融資をしている。特にインフレが抑制されたことは、融資にとって都合がよい。
BNDES融資が、国内市場の成長を測るバロメーターといえる。インフラへの融資といえば、光ファイバーのAESが三年分を一年半で達成する成績を上げた。インフラではブロード・バンドの普及が、企業ばかりでなく家庭用にも猛烈な勢いで伸びており、国外の不況がウソみたいだという過熱振りだ。
サンパウロ州工業連盟(Fiesp)は、六三%の経営者が二〇〇八年を飛躍の年で期待していると発表した。二〇〇八年の為替は、一・六九レアル見当。基本金利は、引き下げ気味の横ばい。インフレも横ばい。経営者は、六四%が五十歳以下へ若返りと予測。
ブラジルが溢れる資金の中で仕事ができるのは有史以来、初めての出来事だと産業界が固唾を飲んでいる。二〇〇八年は、未曾有のベンチャー企業と新ビジネス、新エキスパート誕生の年であると見られる。未来の国「ブラジル」は、死語となった。未来は、我々の足元にあるという。