ニッケイ新聞 2007年11月27日付け
県連とASEBEXの共催による「第一回弁論大会」が十八日午後一時から文協小講堂で開かれた。約百三十人が来場、出場者十七人の熱弁に耳を傾けた。
今回のテーマは、「私にとって移民百周年とは」。各地のスピーチコンテストやお話し大会などで入賞経験のある実力者がひしめく中、非日系のフェリッペ・アウグスト・ソアレス・モッタさん(22)が見事優勝を勝ち取った。
フェリッペさんはイタリア系移民の子孫。小さい時から日系人と関わりがあり、十六歳の時に本格的に日本語を習い始めたという。大会では「日本移民によって現在の自分がある」と話し「日系の三世、四世で日本語を話す人はいるのに、イタリア系は残念ながらそういう考えはなかった」などそれぞれのコロニアの違いについて話した。
優勝決定に、「とてもビックリしている。僕よりも日本語が上手な人たちがたくさんいたのに」と興奮しながらも日本語で喜びを表した。恋人の山田プリシラさん(24、二世)も「すごく嬉しい。感動した」と喜んでいた。
賞品として日本への航空券が贈られる。フェリッペさんは「専攻が歴史なので東京も行きたいけど京都やお寺を回りたい」とすでに旅行の計画を立てていた。
長友契蔵実行委員長は「第一回にしては成功といえるのではないか」と手ごたえを語った。「皆、日本語が上手ですごく感動しました」と話す内村カチアASEBEX会長は、「今回のテーマは難しかったと思うが、良く話したと思う」と振り返り、「皆さん度胸がありますね」と笑顔で感想を述べた。