ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サッカー場が老朽化=27カ所は危険で即時改修=保全不在のブラジルで迎えるW杯

サッカー場が老朽化=27カ所は危険で即時改修=保全不在のブラジルで迎えるW杯

ニッケイ新聞 2007年11月28日付け

 サルバドール市のサッカー場フォンテ・ノーヴァの観覧席が崩落したことで建築設計企業組合は二十六日、国内の主なサッカー場の八〇%に構造的欠陥があると指摘したことをフォーリャ紙が報じた。フォンテ・ノーヴァの惨劇は、ほんの一例に過ぎない。危険な競技場は多数あり、いつ崩落事故が起きても不思議ではないという。
 二〇一四年はW杯をブラジルへ迎えるにあたり、崩落寸前の競技場に外国人応援団を迎えることはできない。最も危険で即時改修を要するのは、ミネイロンやオリンピコ、コウト・ペレイラなど二十七カ所。
 殆どは築五十年から四十年、改修を施されることはなく、問題はいつも先送りされた。建築時の保証期間は過ぎ、解体または改築を義務づけられている。鉄筋は腐り、防水は期限切れでざる漏り。ブラジルは、保全文化が欠落している。
 フォンテ・ノーヴァの規模は、パカエンブーの二倍ある。保全費として支給されるのは、前者が年間百万レアル。公社が百二十万レアル。フォンテ・ノーヴァはこれまで、しばしば事故が起きた。しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れた。
 FIFAはフォンテ・ノーヴァの事故を遺憾としながらも、二〇一四年のW杯に影響はないらしい。FIFAは、ブラジル開催を決定するに先立ち、会場となる競技場を視察した。そのときフォンテ・ノーヴァを見落とした。
 バイア州政府は過去、何度もフォンテ・ノーヴァを部分的に使用禁止とした。さびで腐って剥き出しとなった鉄筋に、生コンで塗りつぶすだけの応急措置でごまかしたようだ。競技場側も危険を解除した当局も、無責任といえそうだ。