ニッケイ新聞 2007年11月28日付け
ベネズエラのチャベス大統領は、コロンビア解放前線(FARC)に拉致された人質五十一人の解放で仲介役をかって出たが、コロンビアのウリベ大統領がFARCを合法化するものだとして断った。チャベス大統領は二十六日、ウリベ大統領を非難し、両国は外交関係を凍結した。
コロンビア野党のガラン上議は事態を憂慮し、ルーラ大統領に両国の和解に向けた仲介役を懇請した。同上議は、両国の確執は両大統領の誤解によると位置付けした。ルーラ大統領には即時二人を呼び出し、対話の機会をつくって欲しいとの願いだ。これだけの大役がこなせるのは、ルーラ大統領しかいないという。
両国首脳の非難が過熱したのは、チャベス大統領がコロンビア国防相に直接電話で「人質交換は決着したからFARCの要求として、非武装地帯の設置を受理してくれ」と要求したことで、ウリベ大統領の逆鱗に触れたようだ。
これには、両首脳の引くに引けない面子がある。ブラジルは両国と良好な外交関係を有し、政治力にも抜きん出ている。チャベス大統領を御せるのは、ルーラ大統領だけだと同上議は見ている。