ニッケイ新聞 2007年11月28日付け
「正直手間取っている」――。サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)の第三十回地区委員総会が二十四日、宮城県人会会館で開かれ、援協福祉センター建設事業に関して森口会長はあいさつでこう述べた。続けて「建設予算が私たちの思っている以上の金額となり、このままでは難しい現状」と報告。「私達の出来る範囲でセンターを建てたい。正式にはそのうち発表できると思う」と出席者に強調した。
これに関連して同事業の説明にたった菊地義治第一副会長は、同センターの設計の見直し案として、当初予定していた地下三階の設計を地下二階に減らし、屋上にあたる六階部分の屋根を外すなどの案を明らかにした。
加えて「外壁につけるアルミ製の熱遮断装置なども無くせれば、二百万レアル以上は安くできる」と総会後に話し、「身の丈にあったセンター建設にむけて関係者が意見をまとめている最中」とした。
全体の建設費予算はセンター内部の備品や医療機器を加えても、総額一千万レアルまでには収めたい意向。そのため現在、設計の見直しや施工会社との再交渉を進めている。予算の不足分は募金活動などを行う予定だ。
援協は今年度事業費としてすでに六百万レアルをセンター建設費として確保。来年度に新たに日伯友好病院の運営利益から約二百万レアルを捻出する案も出ている。
総会ではこの他、来年度の援協の年会費を現行の五十五レアルから六十レアルとすることが承認された。
また約一万八千人にのぼる会員数のうち、約六千五百人が二年以上の会費未納者と報告され、各地区委員を通して未納者の実態を再度把握するなどしたのち、最終的には会員登録を削除する方向に承認された。会員の再登録に関してはすぐに受け付けるようにするという。
総会にはリオ州やパラグァイなどを含めて、約四十人の地区委員が参加。新会員勧誘や会費集金の優秀地区委員として、前田徳英さん(グアルーリョス)、亀井健一さん(前同)、中村スミさん(リベルダーデ区)、玉城宗助さん(ペーニャ)らが表彰を受けた。
また援協の会員はサンパウロ市内に全体の六四・七%、サンパウロ市近郊に一三・六%分布していると報告があり、診療費用の会員割引が受けられる日伯友好病院や総合診療所の近隣地区の居住者で大幅に占められていることがわかった。