ニッケイ新聞 2007年11月29日付け
国家原油庁(ANP)は二十七日、大油田で話題となったサントス大陸棚の試掘権入札を行い、未曾有の競り高二十一億九百万レアルで引いた。前年は十億七百万レアルであったので倍額だ。前年は大手が見送ったのに反し、今回はペトロブラスのライバルが揃って入札に参加した。
ANPが競売にかけたのは、二百七十一鉱床のうち百十七鉱床。このうち四十一鉱床は岩塩の下に大きな油田の期待が持たれ、ブラジルも一躍大産油国への仲間入りで夢が膨らんでいる。試掘のためには、六十億レアルが投資される。
さらに今回の話題は、初顔エイケ・バチスタ傘下のOGXが参加したことだ。二三鉱床のセリで二一鉱床を落とし、セリ高の七〇%を払ったようだ。続いてヴァーレ・ド・リオ・ドーセも初参加だが、ペトロブラスと組んで九鉱床を獲得して奮闘した。
他にも初顔でオーストラリアのカルーンやフランスのペレンコ、ブラジルのラブレア、STRがいた。ペトロブラスは食欲不振で冴えず、最後の七回は連敗した。岩塩がなかったら、世界のメジャー、シェブロンやエクソン、シェル、BG、レプソールも参加したと予想される。
入札でスター扱いとなったのは、OGXのエイケ・バチスタ。アマゾンの金成金。十四億七千万レアルの買い物は、安いという。これは岩塩の下の油田を探す授業料で、成功の暁には投資家がドっと押し寄せると述べた。同氏は占いに見てもらい、63が幸運の数字と教わったらしい。
入札参加企業には、MMXやEBX、LLX、MPXなどXで終わる名前が多かった。Xは儲けが掛け算で入るので、縁起がいいのだそうだ。ガスはこれから、火力発電と製鉄で使われる花形商品だとバチスタ氏がいう。「ここへ政府が力を入れたのは、正解だ。後は各社に競争をさせて、政府はムチだけ振っていればよい」という。