ニッケイ新聞 2007年11月30日付け
マット・グロッソ州の人口一七万余りの町ロンドノポリスで、マット・グロッソ連邦大学(UFMT)関係者が待ち伏せしていた男に銃撃され、亡くなった。
事件が起きたのは、二十七日深夜(二十九日付フォーリャ紙)から二十八日未明(同エスタード紙)。クイアバ市から帰ってきたUFMT学長補のソライア氏自宅前で、覆面をした男が車から降りたソライア氏、ならびに車中の畜産技術教授フラガ氏と学監のルッソ氏に連続して銃弾を浴びせた。犯人はソライア氏の鞄を盗み逃走したが、鞄は途中で放棄。川沿いの林に入り、姿をくらましたという。ソライア氏とフラガ氏は即死。ルッソ氏も病院に運ばれたが死亡した。
連邦大学関係者が犠牲となったため連警と市警とが捜査を開始したが、ソライア氏が大学関係者から脅迫されていると友人たちにもらしていたこともあり、単なる強盗と言うよりも事件性のものとの見方が強い。ソライア氏は穏やかな人物だったが、より透明度の高い組織運営を求め、財政状態見直しと経費削減、契約破棄などの改革、調査を行ったあたりから、殺人をほのめかす電話がかかり始め、車をパンクさせられたこともあったという。
警察はその他、キャンパス拡張のための候補地(二〇〇五年に起きたフォルタレーザの銀行強盗事件の犯人たちによって購入された土地で、昨年、司法当局によって差し押さえられた)がらみの問題や、離婚で係争中であることによる殺人の可能性も上げている。
ロンドノポリスでのソライア氏とルッソ氏の葬儀には学生や友人、親戚など、何百人もの参列者が集まったが、誰もが何が起きたか信じられない様子だったという。フラガ氏の遺体は故郷であるサンパウロ州カタンドゥーヴァ市に運ばれ、二十九日に埋葬。昨年故郷を離れたばかりで、皆に好かれていた人物の死に、故郷の人々も悲しみに沈んだ。ロンドノポリス市と大学は三日間の喪に服すこととした。