ニッケイ新聞 2007年11月30日付け
ブラジル日本文化福祉協会(上原幸啓会長)は、全伯にある日系団体との連携を目的に来月一、二の両日、文協ビルで「第一回文協統合フォーラム」を開く。文協が地方理事を置くサンパウロ、パラナ、リオデジャネイロ、アマゾナス、パラー、南マット・グロッソなど遠方から、理事のほか女性・青年・事務局各代表が集まり、活性化と融合の道を模索する。二日には、島内憲在伯日本国大使がスピーチ、飯星ワルテル連邦議員が同日、パネルディスカッションに参加する。桂川富夫・日系社会連絡委員長は、「これを機に文協の意義を確認し、各地方の声を聞く機会にしたい」と話している。レアル銀行の協力。
フォーラムの日程は次の通り。
◎【十二月一日】
開会式(午前九時半)、作家イサミ・チバ講師による基調講演「人々の交わりと団結」(十時、貴賓室)、林アンドレ、栗田クラウジオ、豊田豊、川上久子、中島エドアルド、白石マルセロ、小林ヴィクトルの各氏による「文協、各委員会活動の紹介」(十一時三十五分、小講堂)、余興「YOSAKOI・ソーラン」(午後一時五十分、貴賓室)、理事、女性、青年、事務局別の分科会(二時)、ブラジル日本移民史料館見学(四時四十五分)、ブラジル日本移民先没者慰霊碑参拝、日本館見学(六時半、イビラプエラ公園)、日本文化紹介・カクテルパーティー(七時半)
◎【十二月二日】
島内憲在伯日本国大使のスピーチ(午前九時)、飯星ワルテル連邦議員、重田エウゾ(百周年)、高橋ジョー(交流基金)、山脇ジョルジ(クリチバ文体協)各氏によるパネルディスカッション(午前九時、貴賓室)、レアル銀行・清水オリジオ氏による講演「文化慈善活動におけるスポンサーの役割」(十一時、貴賓室)、分科会の発表・フォーラムの評価(十一時十五分)、閉会(午後一時半)
【解説】
日系団体委の初仕事
UNENの轍を踏むな
今年五月に三期目の続投を決めた上原体制は、地方団体との提携を目的に日系団体連絡委員会(桂川富夫委員長)を設置、地方理事も十五人から二十五人に増員した。
同委員会の事実上初めての活動となる今回のフォーラムの主旨は、「文協の理念と役割を認識し、理事会と地方理事との関係を強化し、統合を図る」ことになっている。
このような動きはかつてもあった。〇一年に発足したブラジル日系団体連合会(UNEN)である。
しかし、物理的に遠い団体同士が連絡を取ることもままならず、その必要性を認識することもなく、活動を停止しているのは、周知の通りだ。
連絡に関していえば、文協ネットがその役目を果たせばいいのだろうが、現在停滞中であることから、この機に広く参加を呼びかけることは難しい。
せめて、各団体事務局代表者にその必要性を説き、ネット状況を調査する機会にしてもいい。
プログラムに統合の認識を深める内容が希薄であることも一過性のものにならないかという不安が残るが、許された時間内で文協はもちろん、地方理事、関係者らの積極的な意見交換が期待される。
このフォーラムをUNENの轍を踏まず、「継続可能な日系団体の連携」の第一歩にしてほしい。