ニッケイ新聞 2007年12月4日付け
三日付エスタード紙に、いくつかの関連性のある記事を見つけた。
主な二つは、不動産ブームで様々な分野がこれまでにない成長を遂げており、来年もこの好調を維持しそうだというものと、この不動産ブームに乗って提出される企画書の審査段階で、建設予定地の土壌汚染の実態等が明らかにされてきているというもの。
不動産ブームについては、八月の不動産販売が四・七一%伸びた記事(九月二十一日付フォーリャ・オンライン)等、本紙で紹介したものもあるが、十月中の建築申請が八八五〇戸分、関連分野の販売が三〇%から七〇%増もあるといった三日のエスタード紙の記事は、より具体的に不動産がらみの動きが活発なことを伝えてくれる。
しかし、いくら新築、改築の夢がかなっても、その土地や地域が土壌汚染やガスの発生による中毒や爆発の危険ありといわれたら安心して住むことも出来ず、家屋価値を失うことにもなる。現実に、三日のエスタード紙は、サンパウロ市内では一八二二の地域が汚染地域として登録されているとし、ガルーリョス、サンベルナルド市のような近郊都市では、サンパウロ市のような監査さえ行われないまま建築許可の出る可能性ありという。同紙は、二〇〇〇年に起きたマウア市のコンドミニオでのメタンガスによる爆発のことも告げているが、最近もメタンガスによる爆発の危険を指摘されたコンドミニオがある。専門家は「何種類ものゴミが捨てられ、長年放棄された土地が一番危ない」というが、工場地帯やガソリンスタンド近辺の土壌汚染も深刻で、汚染源も多岐に渡るという。生活廃水、工場廃水による水質汚濁他、汚染土壌を通った雨水などによる水質汚濁等も案じられるが、二〇〇六年十月時点で汚染中和処置がとられていない土地は五一%、サンパウロ州内の汚染土壌は五〇〇〇箇所をこえる見込みだという。