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最高裁長官=少女L事件は構造的欠陥=国連が人権蹂躙を重視=ブラジルの恥部が明るみへ=治療は局所療法か全身療法か

ニッケイ新聞 2007年12月5日付け

 最高裁のエレン・グラシエ長官は三日、「パラー州アバエテトゥーバ警察署で少女Lが男性勾留者と同居させられ連日、輪姦を受けた事件はブラジルの構造的問題である」と指摘した。当事件は一責任者の問題ではなく関与した警察署と治安当局、管轄裁判所、少女Lの保護者を含めた社会的構造の欠陥であると述べた。国家法務委員会(CNJ)は三日、刑務所内で日常茶飯事となっている婦女暴行事件について関係機関の責任について調査することにした。
 刑務所内の婦女暴行事件は再々、当局へ直訴があった。しかし、誰も取り合う者がいない。事件は、いつも泣き寝入りで終わった。「これは一事件の問題ではなく、ブラジルの構造的欠陥である。恒常的人権侵害の指摘は、常にあった。人権問題が浮上すると、事務的に司法機関へ回される。司法府だけが、人権問題の砦だと思っている」と最高裁長官がいう。
 ブラジルの人権問題が国際的に問われている現在、このような忌まわしい事件が二度と起きないため、司法制度に欠陥があれば直ちに法的整備を行うと、長官は声明を発表した。しかし、パラー州地方裁判所は沈黙を守り、マスコミの取材に一切応じない。
 ルーラ大統領は国連の人権担当高等弁務官の訪問を受け「少女Lの事件は、ブラジルで人権無視が習慣として罷り通っていることを物語る」と警告された。国連が同問題を重視するのは、少女が裁判も受けず刑の宣告も受けていないのに男性留置者の中へ、いきなり放り込まれたことだ。無法地帯に等しいブラジルの刑務所システムで、大統領は油を絞られた。
 大統領は、少女Lの事件は信じられないショックなことだと慨嘆した。特に警察署長は子供を持つ父親のはずだが、することは鬼畜に等しいと憤慨した。
 一方、サンタカタリナ州パリョッサ警察署の女性署長は、留置所が満員であるとして勾留者を警察署前の柱に鎖でつないだ。署周辺は勾留者の大小で、彩られた。勾留者の一人は、女房を殴ったため。他は店の前を通ったら、手の中にチョコレートがあったという。留置所を造るより柱を建てるほうが、安上がりと署長は言っている。

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