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平均寿命、72・3歳に=依然として残る性差、地域差

ニッケイ新聞 2007年12月5日付け

 二〇〇六年生まれの人は、二〇〇五年生まれの人より平均寿命が五カ月長い。これは、三日に発表されたブラジル地理統計院(IBGE)報告による。
 四日のフォーリャ紙によると、二〇〇一年~〇六年は年平均四カ月弱の伸びであるから、今回の伸びは若干大きく、全体としての平均寿命は、七一・九歳から七二・三歳となった。四日のエスタード紙は、保健サービス向上、予防接種の普及、周産期と新生児への医療の向上、学歴向上、衛生設備の普及、医学の発達等が原因としている。
 ただ、国民全体が同じ条件で恩恵を受けているわけではない。一九六〇年~〇六年で見ると、男性の平均寿命は五三・一歳が六八・五歳になり、女性のそれは五六・一歳が七六・一歳に。伸長率なら、男性二八・九%に対し、女性三五・七%で、六〇年時点の性差三年は七・六年に広がった。それについて伯字紙は、男性は、殺人等で若い時期に死ぬケースが多いためという。統計では、外因性の死の一二・五%にあたる暴力的な死(他殺、自殺、交通事故、その他、避けようと思えば避けえた死)の八三・五%が男性。二〇歳から二九歳の男性の場合、外因性死の五五・一%が殺人による。
 外因性の死については一九八〇年と〇六年の統計があるが、交通事故死は二八・四%で変わらないものの、殺人は一九・八%から三七・一%にほぼ倍増したことが目をひく。また、男性の自殺率が四・九%から六・四%に伸びたことも気になる(女性は八・三%が八・七%に)。
 また、地域別に見ると、北伯、東北伯の平均寿命が短く、最長の連邦特別区が七五・一一歳、最短のアラゴアス(AL)州が六六・三六歳。さらに性差が加わると、連邦特別区女性の七八・九六歳に対しAL州男性は六二・四五歳で、一六・五歳の差(一九八〇年は一八・三歳差)がある。
 また、平均寿命の伸びには新生児死亡率低下(六〇年~〇六年で六四%)の影響が大きいが、これも地域差があり、昨年の南リオ・グランデ州では一〇〇〇人の新生児中一カ月での死亡は一三・九人、サンパウロ州で一六人と続くが、AL州では未だ五一・九人であった。最も改善したのはセアラ州で一一一・五人が三〇・八人で七二・四%減だった。
 ちなみに世界一の長寿国はアンドラ公国で八三・五歳、短命は二二二位のスワジランドで三二・二歳。日本は八二歳で三位、ブラジルは一一四位となっている。ブラジルでは平均寿命が伸びたため、年金受給までの労働期間が六カ月のびることになるという。

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