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文協フォーラム無事閉幕=分科会、講演、パネルディスカッション…=関係強化の第一歩踏み出す

ニッケイ新聞 2007年12月5日付け

 全伯二十二地域から六十六人が参加した「第一回文協統合フォーラム」が一、二の両日、文協ビルで開催された。「文協の理念と役割を認識し、理事会と地方理事との関係を強化し、統合を図ること」が目的。作家イサミ・チバ氏の講演や分科会、パネルディスカッションに加え、文協の活動紹介やブラジル日本移民史料館、イビラプエラ公園の日本館も訪ねるなど充実したプログラムが行なわれ、無事閉幕した。参加者により、各地方で報告会が行なわれるほか、今回のフォーラムの結果が収められたCDが配布される。日系団体連絡委員会の桂川富夫委員長は、「一度会ったことで関係が近くなったのでは」と話し、今後同委員会の会合の内容なども各地方に連絡することで、より一層の関係緊密化を期待している。
 作家で精神科医のイサミ・チバさんが開会式後、「人々の交わりと団結」と題した基調講演を行ない、全伯日系団体の団結と統合の重要性を訴え、会場から大きな拍手が送られた。(四日付け既報)
 ブラジル文化福祉協会の活動を理解してもらおうと青年文協、美術、国際民族舞踊など各委員会が発表、事務局や文協ネットに関しても紹介があった。
 昼食、余興のYOSAKOIソーランが行なわれたあと、地方理事・女性・青年・事務局各代表に分かれ、分科会があり、各地方それぞれの問題や文協に対する要望など、意見交換が活発に行なわれた。
 ブラジル日本移民史料館の見学、先没者慰霊碑に参拝後、日本館で琴や日本舞踊、民謡などを楽しみながら、カクテルパーティーで出席者らは歓談を楽しんだ。
 二日午前、島内憲在ブラジル日本国大使が壇上で「文協を日系社会のまとめ役」と位置付けたうえで、「百周年を目前に控えた今、時宜にかなったフォーラム」と評価した。続いて、ウィリアン・ウー連邦議員が言葉を述べた。
 パネルディスカッションでは、日伯議員連盟の飯星ワルテル連邦議員が同連盟の活動などを紹介、百周年記念切手発行に尽力したことを強調した。
 「これから高まる日伯関係において、文協の役割はとても大事」とし、同連盟としても協力を約束した。
 ブラジル日本移民百周年記念協会の重田エウゾ氏が百年関連事業の概要、高橋ジョー氏が日本週間について説明。
 地方理事代表として、クリチバ日伯文化援護協会の山脇ジョルジ会長は、「文協がコロニアの母体として、イベントなどを展開、全伯日系団体が抱える会員減少や若い世代流出の歯止めとなれば」などと話した。
 続いて、多くの日系イベントや事業に協力しているレアル銀行の清水オリジオ氏があいさつした。
 前日行なわれた分科会の結果、フォーラムの評価、地方代表者の意見発表などが行なわれ、第二回を望む声が多くあった。
 上原幸啓文協会長が地方代表者それぞれに記念品を渡し、記念撮影が行なわれた。
 閉会のあいさつで渡部和夫・文協評議員会長は、「地方の協力なくして文協創立、文協ビル建設はなかった。これからも連携を深め、全伯日系団体の活性化を図っていきたい」と一体感を訴え、会場からは拍手が送られていた。