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北ミナスで地震M4・9=ブラジルで初犠牲者=地球内部でも異常変動が?=南米大陸はどこへ行くのか

ニッケイ新聞 2007年12月11日付け

 ミナス・ジェライス州北部イタカランビ市で九日午前〇時、マグニチュード四・九の地震が発生した。六棟の住宅は全壊し、七十棟が損傷。就寝中のジェサイーネちゃん(五)は家屋の下敷きとなり、ブラジルで初めての地震による犠牲者となった。同地域は、五月から妙な揺れを感じていたと住民はいう。ブラジリア大学の教授が十月、現地を訪れ、緊急時における対応の指導を行っていた。
 「ブラジルは地震がない国」神話は、終わった。ブラジル全域で一九五五年からこれまでに、M四・九以上の地震十回が記録されている。これまででは一九五五年、マット・グロッソ州ポルト・デ・ガウショのM六・二が最大であった。被害最大では一九八六年、北リオ・グランデ州ジョアン・カマラ市の地震である。市街の四千家屋が全壊したことがある。
 イタカランビ市で家屋が倒壊した世帯や倒壊寸前の危険な家屋の住民三百人は、学校や託児所へ避難した。ミナス州政府は直ちに、ヘリ二機と生活必需品、救援物資を現地へ送付した。震源地は、付近のカライーバス集落から一キロ地点とされる。
 地震の原因は、太平洋のナスカ・プレートが南米大陸プレートの下へずれ込んだためで、地盤にひずみの多い北ミナス地方が、特に地震の影響を受けたらしい。震度から見て震源の深さは、五キロメートル。幅は五キロにわたった。
 ブラジリア大学地質学部は、同地方にある洞窟からプレートの移動ではなく地盤のひずみの変化による二十回以上の微震を観測した。今回の地震被害は、同地域の住宅に耐震構造がないためと見ている。
 地球の異常気象には、地殻の異常移動も関係があるらしい。太平洋のナスカ・プレートが南米大陸の下へもぐり込み、南米大陸と太平洋は徐々に形を変えながら移動している。そのために大陸の下へ押し込まれた圧力は、ブラジル辺で息抜きをするため地盤のひずんでいる地域を狙う。
 南米大陸は太平洋岸で大地震に見舞われるが、ブラジルは余波を受けるだけで感じるような地震はなかった。ブラジルは地震多発地域がなく、地盤にひずみのある全地域が余震の影響を受ける地域といえそうだ。