ニッケイ新聞 2007年12月11日付け
花柳流龍香会サウーデ文協踊り部は、去る十月六日夜、セアラ州フォルタレーザ市を訪問、団体日本舞踊を披露した。踊り部の関係者が、七日来社し「今度の訪問でサンパウロでは考えられない、ブラジル人の日本文化への憧れと賞賛を目の当りにした。日本文化と日本人をブラジル人に知ってもらうために、サンパウロの日系人はもっと架け橋にならなければ、と痛感した」と語った。
同踊り部十三人は、アルモニア太鼓部邦楽座十七人、歌手の伊藤カレンさんとともに、セアラ州フォルタレーザ市の日系有志に招かれ、日本移民百周年イベントで、舞踊、歌謡、太鼓を披露した。七百人収容の会場に八百人が入場して、熱心に鑑賞した。入場券を買えない人たちが場外に溢れたほどだったという。
紹介された踊りは「晴れ姿浪速おどり」「倖せ音頭「博多おどり」「海を渡って百周年」(花柳金龍さん振付)など。非日系人たちは「マラビリョーザ」を連発、日系人の高齢者たちは涙を流した。最後は観衆を交え、伊藤カレンさんの唄に合わせて踊る「炭坑節」。『東麒麟』の大樽の鏡開きで「宴」が果てたという。
フォルタレーザ市の日系人は約二百家族。今回は、サウーデ文協の元会長、田所マリオさんの肝いりで、日本文化紹介が実現した。