スイス政府が告発=銀行幹部さらに5人を俎上へ=リオ州で組織化した金融犯罪
ニッケイ新聞 2007年12月12日付け
スイス政府法務省は十日、同国のプリベー銀行幹部行員五人をリオデジャネイロ州で所得税の脱税とマネロン(資金洗浄)、タックス・ヘイブンへの違法送金を常習しているとして告発した。組織の犯罪が発覚したのは二〇〇一年、ガロチニョ前知事の時代であった。
同組織が送金しスイスで差し押さえられた金額は現在、五千三百万ドルに上っている。所得税監督官四人と国税庁の監督官四人が、企業の税務処理で行政指導を行い、見返りにリベートを受け取っていた。それが新たな指導員を迎え、今も続行しているらしい。
監督官らは二〇〇三年、十四年の刑を受けただけで、組織の違法送金は後を絶たないようだ。主犯と見られるシウベイリニャ容疑者は、リオ州財務局次官の要職にあり、約四〇〇社の税務監督で元締めの立場にあった。ガロチニョ元知事とロジニャ知事に仕え、選挙参謀まで務めた。
しかし、スイス政府の捜査は、ガロチニョ元知事と選挙の資金経路には触れていない。犯罪が発覚したのは、ブラジルに支店を持ち資金洗浄の形跡が明白なジスカウント銀行を、プリベー銀行が買収したとき業務引継ぎで発見した。
スイスでは、犯罪に関係するのは下級行員か下層市民だけである。銀行の幹部行員が犯罪に加わることは殆どない。スイス銀行は、監督官の給与にしては送金額が多いので不信を抱いて調べた。スイス銀行が告発した五人の容疑で、ブラジル側の捜査進展はない。
外国人知能犯は、ブラジル国内に足跡を残さないため普通ラランジャ(名義賃貸人)を使う。送金は、ブラジルとまたは相手国と租税協定のない国経由で送金を行う。当局の追跡を受けない合法ルートと銀行法の網を抜ける法を、専ら指導するだけで手を汚さない。その他にも法の大きな抜け道は、数々ある。