ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 災害地、町ぐるみ移転=我が家と庭木に別れを惜しむ

災害地、町ぐるみ移転=我が家と庭木に別れを惜しむ

ニッケイ新聞 2007年12月12日付け

 地震で住宅を失ったカライーバスの三百人は、地震の心配がない所へ移転することになった。消防隊の点検では住宅の九五%が、倒壊寸前にあり居住不可という。住民は家畜と家財道具を抱え、長年住み慣れた我が家と庭木、集落に涙の別れを告げた。唯一人の犠牲者となったジェシアネちゃんは、十一日が幼稚園の卒業式であった。
 同地方は九カ月間の干ばつに悩まされ、今度は地震である。カライーバス市のフェレイラ市長は同集落の終焉を宣言し、死の町と化した。住民の移転に先立ちネーヴェス知事は、新たな住宅の建設資金提供を約した。予定で近隣都市の一区へ簡易住宅を建設する。
 それまで託児所や学校に一時寄宿し、生活必需品の供与を受ける。ブラジリア大学の調査団が十月、同地を訪れ「干ばつで死ぬことがあっても、地震で死ぬことはない」と安心させたばかりであった。市民は、もっと確かなことを教えて欲しいという。