ホーム | 日系社会ニュース | 最後の移民船『ぶらじる丸』=元船長の川島さん書く

最後の移民船『ぶらじる丸』=元船長の川島さん書く

ニッケイ新聞 2007年12月12日付け

 最後の移民船『ぶらじる丸』の船長を務めた川島裕氏が、同船の航跡について語っている著書「海流―最後の移民船『ぶらじる丸』の航跡―」が発行されている。同書は全二百八十八ページで、十一章にわたり同船に関して綴られている。
 最後の移民船として活躍した同船は、川島裕元日本船長協会会長が、同船の船長として運航を指揮したその最終航海の模様と、第一回日中友好青年の船として有終の美を飾った船の航海日誌を書き下ろしたもの。
 各章では、移民船として訪れた、ハワイやロサンゼルス、アルゼンチン、ブラジルなどの国々での状況も描かれている。
 同船は、一九五四年七月建造以降約十九年間で、二万三千三百八十七人の移住者や船客を乗せ、日本と南米間を航海した。
 同船が最後の航海から三十年経ったことから、移民たちがどのような状況で海を渡ったか、新天地を求めた人たちなどの様子を残すことが、最後の船長としての責務だと感じたことから執筆を決定したという。
 【書籍データ】発行年=二〇〇五年九月十五日初版発行、発行所=海文堂出版株式会社、ISBN4―303―63490―5。