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亜国にものを申す=まず投資奨励環境の設置を

ニッケイ新聞 2007年12月13日付け

 クリスチーナ・キルチネル亜大統領の就任で、亜国で何が起こるか。先ず考えられるのは、インフレと投資不足。亜国の実勢インフレは年一四%、公定インフレは九%。差は計算のごまかしだと、ダンテ・シッカ経済学者がいう。
 公共収支の赤字を避けるためにデッチあげたインフレであり、異常である。無理な為替操作で一ドルを三・一五ペソとしたために起きたインフレである。この為替率で亜中銀が、市民にドルを売るので起きるインフレともいえる。
 インフレ抑制策として物価統制とベア制限を発令した。また亜政府が供与しているエネルギーと食品の補助金は、民間の生産活力を殺ぎ、投資を妨げる。経済成長率六%が目標なら、投資はGDP(国内総生産)の二六%が必要だが、一九%で止まっている。
 新大統領はエネルギーへの補助金削減を検討しているので、エネ高騰とともにインフレの襲来も予想される。企業家は設備投資をしても成果が期待できないので、資金捻出など考えていない。基幹産業の行き詰まりは、早晩見えている。
 然らば国外の直接投資を期待したいが、障害物が二つある。債務の金利を操作していることと多国籍企業に亜支社への投資制限をしていることだ。新大統領が事態を挽回するためには、夫が敷いた制限令を撤廃し、投資を奨励する環境を至急つくることだ。