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「お茶の王様」=レジストロで表敬の落成式=豊田さん制作のモヌメント=古いお茶の機械部品使用

ニッケイ新聞 2007年12月13日付け

 【レジストロ】当地のシルヴィア・ベルテリ・マエジ広場で、去る十一月三十日夕刻、造形作家、豊田豊さんの作品「お茶の王様」のモニュメントの落成式が挙行された。この作品はレジストロ市制六十三周年とブラジル日本移民百周年を記念して造られたもの。

 落成式典は、クローヴィス・ヴィエイラ・メンデス市長、豊田豊、絹子夫妻、ニウトン・ジョゼ・ヒロタ・ダ・シルヴァ市会議長、清水ルーベンス文協会長、若くして昇天した、シルビア・マエジさんの母、ヴィウマ・ベルテリ・マエジさん、画家兼俳優の金子健一さん、市会議員ほか大勢の来賓出席のもとに行われた。
 リベイラ河に近いこの公園は、荒れ果てていたが、エジマラ・パヴァン・ゴンサルヴェスさんが無償で手を加え、芝生を植え、立派に造り直した。今回お茶の苗も植えられた。
 「お茶の王様」を作成した豊田さんは、お茶の町、レジストロのイメージをこのモヌメントに託した。その胸の内を「古いお茶の機械の部品を使って、王様らしい格調を出した心算です」と述べた。
 そして「この広場には三世、四世の若者が大勢集まると聞いております。彼らにレジストロはお茶で発展した町だったことを忘れないで欲しいと思います。それと同時にお茶の里を作り上げた、先駆者にこの記念塔を捧げたいと思います。私はこのモヌメントを設置したカルサーダに、大きなお茶の木二本の絵が小石で描いてあるのに気がつきませんでした。このような模様のあるカルサーダは、レジストロの何処を探してもありません。〃お茶の王様〃の記念塔は、この場所に据えられる運命にあったとしか考え様がありません」と若者たちへ望むとともに、先駆者へ表敬した。
 落成式には、レジストロ文協の和太鼓グループの太鼓と民謡大和会の子供たちの踊りが花を添えた。「お茶の王様」は、ブラジル日本移民百周年を記念して豊田豊さんがレジストロに設置した「太陽の扉」「自由への道」に続く第三作である。(金子国栄さん通信)