ニッケイ新聞 2007年12月14日付け
カリェイロス前上院議長の後任として暫定議長に任命されたガリバウジ・アウヴェス上議(PMDB=ブラジル民主運動党)は十二日、初仕事に暫定金融税(小切手税)の延長案議事を取り仕切り、賛成四十五票では必要数全上議の五分の三である四十九票に達しないため否決と決定した。
アウヴェス上議は対抗馬のないまま、一年任期の暫定議長と決まった。議長決定前と決定後は、上議らの態度やものの言い方が違うという。まるで結婚式場で新婦の到着を待つ新郎の気分で、顔はほてり、腹が氷のようだったと、同議長がジョークをいった。
議長候補に先立ち、政府のえこひいきをしないという条件で野党の支持を取り付けた。議長選は賛成六十八票、反対八票、棄権二票の絶対多数で決めた。その直後に、政府の命運を賭けた小切手税の表決という初仕事だ。いわば小切手税は、議長就任祝いのようなものであった。
新議長を待っているのは、北リオ・グランデ州検察局の公金を流用した告発だ。これは、最高裁と政府へ説明をする必要がある。同議長の弁明では、州知事選挙に名前を連ねただけで、選挙費用の捻出や決済について一切指示したことも関与したこともないという。選挙裁も上院倫理委員会も同件は検察局の捜査に托し、現時点では新議長に白紙委任とした。
四票不足で否決された小切手税延長案だが、攻防戦は十二日昼夜を徹して行われた。大統領が与党上議へ、野党と最後の談判を行うよう念書を送った。大統領の意を受けて財務相が、医療予算増額の大統領念書をセーラサンパウロ州知事へ送った。サンパウロ州知事は増額ではなく、小切手税全額をルーラ第二次政権の残る三カ年間、医療へ充当するようにと要求した。
このセーラ回答は政府に少なからぬ衝撃を与え、上院の態勢が決まったようだ。政府案の医療費増額案は、連邦令で国内総生産に伴って定めた当然ある増額であって、政府提案ではない。政府は医療費増額の中から、年金生活者や遺族年金者に対する医療費を、小切手税から差し引く考えがあったようだ。