ニッケイ新聞 2007年12月14日付け
第一回移民船「笠戸丸」が出航した日を記念して、兵庫県日伯交流年(移民百周年)実行委員会(西村正実行委員長=日伯協会理事長)が来年四月二十八日夜にホテルオークラ神戸で開催する記念レセプションで、コロニアが育てた歌手・井上祐見さんが歌うことがこのほど決まった。
当日は、笠戸丸が出港した午後五時五十五分にあわせて、神戸メリケンパークの特設会場で百周年記念式典を開催。サントス港へ向けて「友情の灯」を送り出す。そのあとオークラ神戸で行われる記念レセプションと合わせて、皇室、政府、外国公館関係者のほか、ブラジルからの慶祝団や在住日系人、関連企業など多数の来賓が出席する予定。
ニッケイ新聞からのメール取材に対し、井上さんは喜びを伝えると共に「百年前の同じ日に同じ場所でご苦労された方々を偲び、そしてブラジルに住む皆様の事を思い浮かべながら『sou japonesa』を歌いたいと思います」と書き、意気込みを新たにしている。
十回目の南米公演となる来年、披露する予定の新曲『笠戸丸』は、コロニアの有志から届いた詩や想いを綴った手紙、移住史料などを元に、すでに作詞家や作曲家との打ち合わせを重ねており、年内には原案をしあげ、年明け早々には楽曲の仕上げに入る見通しになっているという。
井上さんはデビューした年から九年間続けて南米公演をしており、特に、三年目から歌い続けている移民のためのオリジナル曲『sou japonesa』は公演先の各地で好評を博している。