ニッケイ新聞 2007年12月15日付け
現代版「ああ無情」。サンパウロ州カンピーナス市の溶接工がスーパーで一リットルのヨーグルトとケーキを万引きして牢に入れられた。あまりの空腹に我慢が出来ずに盗んだ品物は六レアルにもならなかったという。伯字紙の同じページには、マルフ氏の息子が前妻に払うべきお金を払わないため捕まっていたが、大金を積んで釈放されたと。
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マラニョン州で八人の市長を含む少なくとも九七人の大捕り物。教育費と保健衛生費の使い込みのようだが、「こういった腐敗した買収行為が一〇%減るだけで小切手税の必要はなくなる」と檄を飛ばしてから摘発行為に入ったという連邦警察の指揮官。澄んだ水には魚は住めないというが、贈収賄がないと政治家は生きられない?
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地震で大きな災害に遭ったミナス州のカライーバでは、家を失った人々は住む場所も定まらないまま不安の中にいる。公共の場所に住居を建てるという方向で話は進んでいるようだが、余震も毎日続いており、残してきた牛の世話などのために、何人かの住人は廃墟となった町に戻っているとも。市長が自分も共同経営者である農場を買い取ってもらい、そこに住居をと提案したが、国や州は拒否した模様。
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住居といえば、リオのスラムに二〇〇人の軍隊が派遣された。今回は麻薬取り締まりのためではなく、学校や託児所、七八〇軒ほどの家の修復のためだという。麻薬密売者らは情報を受け、別のスラムに移動済みだったようで、撃ち合いも無ければ、警官隊接近を知らせる打ち上げ花火も無い静かな到着だったと。クリスマス間近。争いや命の奪い合いの無い平和な待降節、降誕節となるように誰もが願う時期…。