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「女たちのブラジル移住史」出版=日下野さん「女性の貢献知ってほしい」

ニッケイ新聞 2007年12月15日付け

ブラジル移住史の中に女性も描きたい――。そんな思いで書かれた「女たちのブラジル移住史」の出版記念記者会見が、十二日午後二時から、ブラジル日本語センター内で行われた。
 同書はブラジルに移住した六人の女性たちが、渡伯の前から現在にいたるブラジルでの生活を振り返り綴ったもの。それぞれ原稿用紙百枚分ほどで書かれている。八月に日本で出版された。
 著者は小野政子さん(85)、中田みちよさん(66)、斎藤早百合さん(75)、土田町枝さん(83)、大槻京子さん(60)、松本純子さん(42)の六人。北伯・モンテ・アレグレ在住の大槻京子さんを除く五人と、同書を監修したジャーナリストの日下野良武さんが出席した。
 当初は、NHKドラマ「ハルとナツ~届かなかった手紙~」の放映に合わせて発表する予定だったが、様々な理由で日本移民百周年の前に発表することを決定した。
 日下野さんによれば、構想から実現まで足掛け約十年かかっている。「地味だが、女性たちがいかにブラジルの歴史に貢献したのかを知ってもらいたい」と意欲を見せた。
 最年長の小野さんは執筆について、「書きたい癖があったから書いた」とあっさり答える。本を手に取った時には「感激した」と率直な感想を表し、「兄弟や知り合いに送りたい」と希望を話した。
 「短い時間で書き上げた」と、最年少の松本さん。「読んでいただければ幸い」と謙虚な様子で話し、「ブラジルの人よりも若い日本人を対象にして書いてみた。簡単にブラジルに入り易いのでは」と語った。
 日本国内の主要書店には九月頃から並んでいる。また、県立、市立、町立図書館にも寄付され、置かれている。ブラジル国内では、現在のところ太陽堂のみで販売されている。値段は一〇八レアル。今後主要日系書店、アリアンサ文化連盟などで販売していく予定。
 【書籍データ】
 書籍名=女たちのブラジル移住史、全三百八十一ページ=、発行年=二〇〇七年八月三十日、発行所=毎日新聞社、ISBN=978―4―620―31821―9。