ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ダッタフォーリャ調査=所得向上で下層階級減少=経済好転が格差是正=今後問われる政権の実力=前政権の路線継承はこれまで

ダッタフォーリャ調査=所得向上で下層階級減少=経済好転が格差是正=今後問われる政権の実力=前政権の路線継承はこれまで

ニッケイ新聞 2007年12月18日付け

 ダッタフォーリャ調査会社は十五日、過去五年間に十六歳以上のブラジル人二千万人がDEクラスの所得層からCクラスへ浮上したと発表した。ルーラ大統領が二〇〇三年に政権を獲得してからの四十二カ月間では六百万人のみが所得向上。その後、ブラジル経済が好転してからの十七カ月間で、DEクラスからCクラスへ浮上したのは千四百万人以上に達した。当初は下層階級の生活向上が関心事であったが、これからは経済成長でその実力が問われそうだと十六日付けフォーリャ紙が報じた。
 調査は、ルーラ政権発足前の二〇〇二年十月と二〇〇六年六月、二〇〇七年十一月の三回にわたって行った。過去五年の間に下層階級のDEクラスは、人口の四六%から二六%へ減った。中の下とされるCクラスが、三二%から四九%の一億二千五百万人へ増え、ブラジルの十六歳以上の有権者数に匹敵する。
 上層階級のABクラスは、二〇%から二三%の間を往来し変化が少ない。関係者の見方ではDEクラスの浮上が、クレジットの激増と好調な経済に支えられて、これからも恒常的に続くと見ている。
 階級の類別は、購買能力で割り出した。世帯主の学歴やメードの有無も調査したが、これは一般市民の生活水準に関係ないようだ。これまでの生活向上には、社会福祉と社会保障が重要なファクターであった。これからは、経済成長の如何にかかりそうだ。
 二〇〇七年度の経済成長率が五%以上に達するなら、消費や生産、投資、所得、失業の減少と全て順調に行きそうだ。DEクラスとは、世帯の月間所得が二最低賃金の七百六十レアル以下をいう。このクラスが過去五年、八〇%から四五%へ減った。経済成長に伴って所得格差も、是正されているようだ。
 DEクラスがCクラスへ向上したのは、大都市圏よりも北東部や北部、中央西部が顕著であった。これらの地域は下層階級の集結地帯であったが、経済成長も著しかった。ルーラ政権下の南部は動きが少なく、十七カ月間では農業の発展だけ見るものがあった。一方サンパウロ州など最も豊かな南東部は、Cクラスが五一%、ABクラスは三一%、DEクラスは一七%だ。